クレィドゥ・ザ・スカイ

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クレィドゥ・ザ・スカイ / 森 博嗣


スカイ・クロラシリーズの第5作目。

表紙は娼婦のクスミとフーコです。

主人公は病院を抜け出し、ある女性と逃亡する「僕」。

「僕」が誰なのかはこの作品では明記されていません。


ところで、スカイ・クロラシリーズはどんな話なのか書いていませんでした。


「戦争」とは何か理由があって国と国が争うことを指しますが、この世界では人はどこかで争いが無いと平和を実感できない。逆にどこかで争いが起きていることを目の当たりにして初めて平和を実感できること、つまり「平和を実感したい」というニーズがあるため、ビジネスの一つとして理由無く争う「戦争」が存在していて、戦争をしているのは軍とか国とかじゃなくて、「企業」。

その背景を舞台に「キルドレ」と呼ばれる永遠に歳を取らない、前述した戦争をするための企業に属する子供たちが空に戦いに出る…といった内容です。

前述したように、「戦争」はあくまでビジネスの一環として存在しているだけなので、話の軸ではなく「キルドレ」の死生観、空へ飛ぶことの想いなどが中心として描かれています。

そして、その「キルドレ」が一体何なのか?ということも読んでいくうちに段々と明かされていきます。


このクレィドゥ・ザ・スカイまでに色々と謎が出てきて解消できない部分もあるのですが、そういった謎が次作の最終巻、スカイ・イクリプスで明らかになるようです。(時間軸としてはスカイ・クロラに続くんですけどね。)

(自分は文庫本で揃えてきたので、出版されるまで首を長くして待っています。)

言葉ではうまく伝えきれないほど、この作品の世界観が魅力的であり、読み始めるとすーっとスカイ・クロラの世界に入り込める心地よさもあるので、是非読んでみてください。

(※スカイ・クロラの映画は美しい空に飛ぶ戦闘機の場面が圧巻です!)
by lords_of_canyons | 2008-12-14 17:25 | BOOK